クラフトビールの製造工程

モルト作りとモルト粉砕

日本では製造免許がなければビールを造ることはできません。また、いくら酒税法が改正され、ビールの最低製造量が大幅に引き下げられといっても、まだまだ一個人が家庭で製造できるような量ではありません。しかしアメリカではホームブルーイングと呼ばれる個人でのビール製造が許されていて、家庭でビールを造ることができます。趣味としてビールを造る人々はホームブルワーと呼ばれ、100万人以上もの人がビール造りを楽しんでいます。
ビール造りには当然ながら原料が必要です。その代表的な原料となるものが麦芽であり、麦芽はモルトと呼ばれます。麦芽とは大麦を発芽させたもので、まずはこのモルトを入手する必要があります。モルトを手に入れたら、麦芽粉砕機を使い粉砕します。これは次の工程である糖化を効率よくおこなうための準備で、麦芽の外皮は粗く、そして内側は細かく粉砕するのがよいとされています。

糖化と煮沸

モルトを粉砕した状態では単なるデンプン質であり、甘くないためアルコール発酵させることができません。そのため、このデンプン質を糖分に変える必要があります。これが糖化と呼ばれる工程です。まず、モルトを50℃程度のお湯で溶いていきます。これはタンパク質の分解酵素を活性化させるためです。その後、モルトの糖化酵素がもっとも働く温度に保つことで、タンパク質の分解と同時にデンプン質が糖分へと変化します。次に、こうして出来た甘い麦汁の煮沸をおこないます。煮沸により不要な成分を揮発させると同時に、殺菌をおこないます。

冷却と発酵

煮沸の最中、もうひとつの主要な原料であるポップを投入します。これにより独特な苦みと、香りづけがされます。続いて、麦汁から固形物や凝縮物を取り除いた後、冷却をおこないます。冷却する温度は発酵の種類によって異なります。この麦汁に酵母を入れることで、いよいよ発酵が始まります。この工程によって、ビールの炭酸と、アルコールが生まれます。酵母菌が麦汁の糖分を発酵させることにより、麦汁がビールへと変わるのです。

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そして熟成

最後に出来上がったビールを熟成させます。出来上がったばかりのビールは若ビールと呼ばれ、味が粗く、香りも十分ではありません。そこで、熟成という工程によって味や香りを整えるのです。また、熟成によって見た目も澄んだ色へと変わります。この熟成期間も、冷却温度と同様に発酵の種類によって変わりますが、約二週間~一ヶ月程度が一般的な期間となります。